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私は塾講師と呼ばれるのが好きじゃない。
確かに私たちは塾生に学習指導という「講義」を行うのだから、「講師」で間違ってはいない。私の場合は、大学の教授のような講義ができる訳でもないし、大手予備校の有名講師と肩をならべるようなアカデミックな授業ができる訳でもない。私の授業は上野塾ホームページにもアップしてあるので見ていただければそういった類の授業ではないことが分かっていただけると思う。

私は昔から「塾教師」と名乗っていた。講師と教師の違いは私の中では別者のように思うときがある。「塾屋は授業をしっかりやればいい。教育なんぞ語っている時間などなかろうに・・・」と私に仰った方がみえた。私はそれは間違いだと思う。授業を成立させるための基盤に教育があり、教育なくして授業など私の中では成立しないからだ。

昨日こんなことがあった。中1生に今回の期末範囲の教科書英文を20文暗記するテストを行った。先週本日のテストプリントを配布して、自宅やコンビニでコピーをとって何回も練習した塾生もいた。授業前に外でそのプリントを広げて、一生懸命声に出す姿を見て私は笑みを浮かべていた。

いよいよ授業が始まってその英作文テスト。「はじめ!」の合図で塾生の鉛筆がコツコツ音を立て始める。途中で頭を抱える者もいたがまずまずの出来であろうと思われた。試験を終了し採点を終え得点報告を聞く。「80点・75点・70点・85点・65点・・・・」
今一歩の取り組みが甘い。もっと確実に自分のものにできるまで取り組ませねばならない。私は「これではいかん!きっちり得点が取れるようになるまでやるんだ。全員再テスト!」といって急遽テストコピーをとり始めた。
このコピーをとっている時、「今度はみんな90以上で合格できるだろう。やればできることをみんなに今日は体感させたいな」と思いながら・・・。

10分後に同じテストを行う。「はじめ!」の声と同時に先ほどの鉛筆の音とは比べものにならない活力のある音が教室に響く。「これでいい・・・」と思って塾生たちを見ていた。
ふと気になる塾生がいた。鉛筆が動かない。固まってしまっている。どうしたのか・・・?暫くすると「出来ました!」の上野塾お決まりのコールを塾生たちが発する。ほとんどの者からこの「出来ましたコール」が出て終了時間となった。

交換採点を行い、再テストの得点を聞く。「95点・90点・100点・90点・40点・・・」
40点??先ほどの鉛筆が動かなかった塾生だ。この塾生は先ほどのテストは「80点」だった。私は「なぜ時間を与えて練習して40点になるのか分からない。どうした?気分でも悪いのか?」と。するとその塾生は「間違えた問題ばかり練習していたので、前できた問題でミスをしてしまいました」と。でも前の答案と今回の答案を見ても別の人間が書いた答案に見える。私は「もしや・・・」と頭を過ぎった。でも疑うことはしたくない。もし私の頭に過ぎったことが真実ならば自分で正直言って欲しいと・・・。
「●●よ、本当のことを先生に言ってみろ」・・・しばらく沈黙が続いた。でも決して私から決め付ける言葉は言わなかった。するとその塾生は「前のプリントには薄く英語を書いてきました」・・・その言葉が出るや否や私は「いかんっ!!それは絶対にやっていけないことだろっ!」と隣の教室や本宅で夕食をとっている家族まで響き渡る声を発する私がいた。

「お前は今は子ども。いろいろな失敗をしてそこで学んで大人になっていけばいい。大人になって今日のようなことをしたら、人から信頼などしてもらえない。もう立ち上がれないよ。事の良し悪しは分かる年齢だろ。やって良いことといけないことの分別をしっかりつけるんだ」

その塾生の目には涙が溢れていた。その目で私を見て「はい」と頷いた。
私は塾生に試験の再試を日曜日に行うことを伝えて、その後は期末対策授業に入り込む。いつまでもクドクド言わず、まるで何事もなかったかのように授業は進む。

我々大人は子どもたちに伝えなくてはいけないことがある。どんなことも真正面から挑む生き方を伝える責任がある。逃げない勇気を持たせる責任がある。のらりくらりとうまく目の前の壁を逃れていくような生き方には、いずれ落とし穴が来ることも伝えていかなければならない。それが我々大人の義務であると思う。それを私は授業を通して、塾屋の教師として、地域の堅物親父としてこれからも発信していく。

この塾生は私が大好きな塾生。きっと私のことをわかってくれると思う。そして今度の再試ではきっと合格点を取ってくれるだろう。がんばれよ!!

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